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謎の研究のため、単身アメリカに渡ってしまった『K』君。

その『K』君が辺境の地アメリカで(?)体験した出来事を

私の元にメールで送ってきたので、ここに掲載します。

(一応本人了承済み)

 

japanCLR_cg31.gif (8145 バイト)     それにしても、『K』君、アメリカまで行っていったい     usaCLR_cg32.gif (10628 バイト)

何をしているのでしょうか? (^_^;)

 

     
 


(プロローグ)
思い起こせば、1週間前、こちらに戻ってきてから初めての週末。
荷物も片づき、いよいよ、炊飯器の御登場となった。
もちろん、Made in Japan。タイガーIHジャー。
米喰う文化のねぇー奴らが作ったRice Cookerなんて使えねーぜ。ケッ。
説明書をいつになく真剣に読む。「うむ、うむ、なるほど。」
そして、コンセントを差し込もうとした瞬間。
「おっと、いけねぇ。ここは米国。電圧が120V。
あぶねぇ、あぶねぇ。びっくりさせやがって。でも、大丈夫さ。
だって、炊飯器のための変圧器、電気のコジマで買って持ってきてあるし、、、」
変圧器をさし、さて、いよいよという時、
「ちっと、待てよ? ん!? ぎょぎょぎょえー!!!」
よく考えてみれば当たり前なのだが、、、、
「電力量がたりん!!」
つまり、炊飯器は一種のヒーターであるからして、電流をたくさん喰う。
300W。
それに対し、おいらが電気のコジマで買ってきた変圧器は
一般の家電用なので、最大容量、100W。
恐るべし、タイガーIHジャー。はかったな、電気のコジマめ。
これは、アメリカ合衆国の陰謀か?
強行すれば、ひょっとしたら、うまく行くかもしれない。
しかし、何かが壊れる可能性が大きい。もし、炊飯器が壊れたら、、、、
必死に日本から担いできた、あきたこまち6kgの立場はどーなる。
この瞬間から、炊飯器は、パンドラの箱となった。

(旅立ちの朝)
次日(日曜日)の朝、一つの解決策を胸に家を出る。
サンフランシスコの日本人街に行けば何とかなるかも、いや、何とかなるはず。
そう、自分を励まし、日本人街へと向かう。
日本人街の一軒の電気屋を見つけ、変圧器あるかと聞く。
主人曰く、「200W用で150ドル(1万5,6千円)。
Rice Cookerの方が安いよ。これなんかどう?」
違うんだって、無言で立ち去る。
その後、いろいろ付近の電気屋を見て回る。
どの店も、「うちにゃー置いてないね。その角を曲がって
数ブロック先の店行ってみー。」
どんどんどんどん、日本人街から離れていく。
「このまま、行ったらやばそうだな。。」
絶望感と、自分の詰めの甘さに打ちひしがれながら帰路につく。
しかしそのとき、一つの可能性を思いつく。
「アノてがあった。アレでいけるかも、、、」

(幸せの青い鳥は、、、)
一時間後、ある場所に立っていた。目に映るのはいつも普段みている風景。
そう、研究室にいた。おもむろに物色を始める。
「アレ、どこだっけかな?ホウホウホウ。あった、あった、あった。」
目の前には、直径約10インチ(25センチ)の実験用変圧器。
最大出力、1500W!!余裕である。もちろん、タダである。
幸せの青い鳥は身近にいた。
やっぱ、実験系の研究室だとこーいうもんがゴロゴロしている。

(エピローグ)
後日、改めて、マイクに「変圧器、家で使いたいんだけど、、、えぇ?」
「えぇでぇ。でも、ホンマ、なんに使うん?」
正直に全部説明し、マイク、大爆笑。「好きに使ったらええーがな。」

そして、昨晩。いよいよ、待ちに待った試運転。
気合いを入れて米を研ぎ、精神を落ち着けるために2度3度
深呼吸をした後、スイッチオン。
ここで、油断は禁物。
しばらく、炊飯器の前で、ウルトラマンのファイティングポーズで万が一に備える。
1分経過、、2分経過。なにも起きない。
5分経過。
ウルトラマンの活動時間を超えてしまったが、ようやく、湯気が出始める。
「オレはお前はやればできるヤツだと信じてたぜ。シュワッチ。」
ウルトラマンは飛び去っていった。
約1時間後、炊飯器のカラータイマーが「保温」になっているのを確認し、
早速といきたいとこだが、、、ちょっと待った。
旨い飯を食うためには、、、一度、全体をほぐして水分をとばす必要あり。
説明書にはそうかいてあったのを思い出す。
とりあえず、ふたを開けると、湯気が立ち上る。
そして、その彼方に、、奴らが気持ち良さそうにオレを誘っている。
「ちょっと、待ってな。I'll be back again.」
ターミネーター2のシュワちゃんのように捨てゼリフをはき
数十分後、昔のコント赤信号の渡辺正行の登場シーンのように、、、
「待たせたなぁ。」
食卓には、野菜とインスタントみそ汁「あさげ」、
そして、本日のメインディッシュ、炊き立てのメシ。
まさに、CMのように「あさげ 時々 メシ」状態。
「んめぇ〜。」
「おいしい」「美味い」「旨い」「うまい」ではなく、「んめぇ〜。」なのである。
わかるかなぁ、この気持ち?ニホンゴ、ムズカシイーデス。
そうこうする間に、あっけなく、第一ラウンド終了。ようやく我に返る。
そして、すぐさま、第2ラウンド。ここで、満をじして、納豆登場。
この日のために先週買い、冷蔵庫の中でベストコンディションに仕上がった
納豆である。
色つや、粘りけ、どれをとっても申し分なし。
そして、第二ラウンドもあっけなく終了し、しばし、放心状態。
日本人として生まれた喜び悲しみ、悲喜こもごもである。

ではでは。

 
     

 

がんばれ! 『K』君!

今の日本は君が支えているぞ!!

 

・・・まて! 次号!! (ってあるのか?)

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